「英国王のスピーチ」観ました

遅ればせながら、観てきました。
神戸元町シネリーブル、土曜日のお昼前の部、混み具合は3~4割程度。

1930年代、第二次世界大戦参戦前夜の英国国王であるジョージ6世。
彼は小さいときから吃音で悩み、
厳格な父・国王から強いプレッシャーを受けながら育つ。
吃音のため、マイクに向かって発する国民へのスピーチに成功したことがない。
自分には国民を強いリーダーシップで引っ張っていく国王役なんかとても無理。
幸い次男であったため、国王役は回ってこないと信じていたのに、
王位を継ぐはずの兄のエドワードは恋のためにその地位を捨ててしまった!
人前に出るのが何より嫌いな男が思いもよらず国王を継ぐことになる。

彼の吃音の原因は、幼いころのトラウマに
硬く閉ざされた心だと気づいたセラピストのライオネルは
抑圧された心を解き放つべく、王に向かって型破りなやり方でさまざまに働きかける。
おりしも、ナチス・ドイツがヨーロッパの覇権を狙ってポーランドに侵攻を仕掛ける。
ポーランドの友好国であるイギリスも開戦を決意。
この緊迫した状況の中、国王ジョージ6世は、国民の心をひとつにすべく、
マイクの前でスピーチを行なわねばならない・・・・。

・・っていうのがざっとしたストーリーです。
以下、映画を見ながら順次思ったこと。
●実際に吃音の人は、吃音の原因は心の問題、といわれてどう思うのかなあ。
●ロイヤルファミリーやるもの大変だ。
●イギリスの冬って霧が立ち込めてじめじめして寒そうだ~
●この時代のイギリス人って、家でくつろぐときもネクタイしてるのね。
●うわあ、兄貴の恋人のシンプソン夫人(アメリカ人)、ベッドテクニックに長けた
食わせ物っていう扱いだ。アカデミー賞、よく与えたものだ。
・・・などなどだったのですが、

映画のクライマックス。
ドイツとの開戦を告げ、国民に向かって、
朴訥ながら真摯に語りかける9分間にわたる王のスピーチ。

英国にとって、第一次世界大戦に次いで2度目の苦難の時代を迎える。
我々とは異なる文化が我々に襲い掛かろうとしている。
我々はそれに飲み込まれるわけにはいかない。
「つらい日々になるけれど、力を合わせてこの苦境をみんなで乗り越えよう」。

・・・というような内容で、普段だったら「そうですか」てなもんですが、
東北大地震直後のこの時期にあまりにぴったりすぎて、
ちょっとうるっと来てしまった。

もちろん、日本の今の状況に、戦争前の国威高揚のために行なったスピーチが
ふさわしいとは言えないのだけれど、
「心を支え、ひとつに結ぶ言葉」という一点において、
どこか合い通じるものがあるような気がしました。

また、スピーチの前半は、
「いかにうまく、つまずかず、スピーチをこなせるか」に汲々としていた王が、
後半、次第に、国王らしい威厳と愛情を持って
国民に深く語りかけていくようになる、
その推移がすごく感動的でした。

王の幼い娘二人がキュート。
王妃のエリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)もよかった。
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# by fenmania | 2011-03-27 19:30 | 映画・演劇

少しずつ、復活

3・11以来、家にいる時間はずーーーっとテレビをつけて
地震関連のニュースを見ていました。
もう、見るのが止まらん感じで。
仕事から帰ると機械的にテレビをつけて、ニュースを見続ける。
仕事オフの日は朝から晩まで、ずっと。
画面を通して被災地の状況を目の当たりにするほどに、
被災地ど真ん中にいた阪神大震災時の、日ごろは忘れていた細かいことを
どんどん思い出すようになりました。
また、お風呂に入ったり、エアコンをつけたりするたびに、
罪悪感のようなものを感じてしまったり・・・。

・・・・「あ、これはやばい。なんかメンタルが変なことになってる」。
そう感じて、連休前から意識的にテレビを消し、
本を読むことにしました。
選んだのは、村上春樹の古い本。
「ねじまき鳥クロニクル」全3巻と「海辺のカフカ」全2巻、
あと、短編集の「神の子どもたちはみな踊る」。
話題になったイスラエルでのエルサレム賞受賞挨拶で、
春樹さんは「人間が損なわれること」について
言及されていましたが、
1994年、今から17年前に出された「ねじまき鳥クロニクル」にもすでに、
「人間がシステムによって損なわれること」の悲しみが描かれているのを、
今回再読して発見しました。

こういう気持ちが不安定なときに、春樹さんの本はむっちゃしみるし、
読み終えたときは、(明快にハッピーエンドのお話ではないのに)
なんとなく救われた気分にもなりました。

阪神大震災では、身内が死んだわけでも家が全壊したわけでもない、
ただそれまでの全人生の中で、最も近く「死」に近づいたあれらの日々を経験した末、
一番深く思い続けているのは、「忘れて欲しくない」ということでした。
だから、今回の地震も、「忘れてしまおう」では絶対になくて、
いつまでも覚えておこう、気持ちを風化させないでおこう、
なのだと信じています。
もちろん募金もしましたが、一度行なってそれでおしまいではなく、
息長く心に留め置き、できることをしていきたいと思っています。


今日、甲子園では高校野球が始まりました。
被災地への気持ちは心に抱きつつ、
映画や芝居やお買い物や・・・・、日常生活の再スタートを切ろうと思います。
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# by fenmania | 2011-03-23 10:23 | 日常

米がない?

少しは落ち着いたかと、千葉在住の友人宅にさきほど電話してみました。
直下型の阪神大震災とは異なる、大きくて気味の悪い揺れ方が長く続き、
まるで船酔いしているかのような気分だったとか。
幸い彼女の住む街はライフラインも維持できているようなのですが、
スーパーもコンビニも商品の補充がなく、食べ物がうまく買えないのだとか。
二人の食べ盛りの男の子を抱えているので、お米が手に入らないのが一番困る、
ということだったので、
こちらからお米を買って送ることにしました。

まずはネットの楽天市場でお米ショップを見てみたのですが、
お米を専門に扱うネットショップはそのほとんどが米どころの東北エリアにあり、
もちろんショップは閉鎖状態です。
関西や北陸、中国、九州などにあるお米ショップを見てみたのですが、
なんとなんと、ほとんどが『売り切れ』・・・。
なんとか探しまくってネットで確保できるお米を10キロ購入。 
そして近所でもう10キロ買い足しました。
単1の乾電池も欲しいといわれたのですが、
乾電池もこちらでは売り切れ続出で、買えそうにありません。 

私がぼっーっとしてただけで、
関西のみなさんも、地震と同時に生活必需品や食品を買占めに走っていたのかしら??
とにかく、ソーメンとかパスタとか手ものにあるものも詰め込んで、
援助物資便第一便を送り出します!                                                             
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# by fenmania | 2011-03-16 17:16 | その他

節電 その2

関西電力公式HPより

『東日本と西日本では、電気の周波数が違います。
従って、関西電力の電気を東日本に送るには、周波数を変換しないといけません。
この周波数変換施のの容量は上限が決まっております。』

私が本日掲載したメール内容は、根拠のないチェーンメールのようでした。
お詫びして訂正いたします。
ですが、今後電力関連の環境がどうなるかも分からず、
とりあえず個人的な節電は続けようと思います。
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# by fenmania | 2011-03-13 16:59 | その他

九州新幹線に乗りたい

とりたてて「鉄子」というわけではないのですが、
新幹線に乗るのは好き!
今月12日に鹿児島までの直通運転が始まる九州新幹線に乗って
鹿児島・熊本あたりまで一気に行ってみたい! とわくわくしています。
新大阪から3時間45分で九州最南端の鹿児島まで行けちゃうんですから!すごいです。

九州への出張仕事が入らないかしらん・・・・
と、たくらむのですが、
実際、九州での仕事など、今まで一度たりとも請けたことがないのだから、
そんなに都合よく仕事は入らないですよね・・・(しゅん)
だったら、自腹でも行きたい!w
鹿児島と熊本を観光して、帰りに福岡で降りて、
ヤフードームでホークス戦を観戦したい!
いっそ、ゴールデンウイークあたり行くか・・・と野望が膨らみます053.gif
ご賛同いただける方、いらっしゃいますか?(笑)

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わくわく
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# by fenmania | 2011-03-05 18:47 | その他

海外から届いた名刺

ネットで見つけた名刺ショップ。
かなりお手ごろ価格だったので、試しに仕事用の名刺を注文してみました。
膨大なデザインフォーマットから好きなものを選び、
適当にアレンジしてデータを入れる。
250枚注文して、本体価格は(多少の割引もあって)なんと1050円。
1枚4円だと!

今使ってる名刺は、知人のデザイナーにデザインを頼み、
プロ仕様のプリンターでプリントアウトして、と、
かなり経費を抑えたつもりなんだけど、
それでもデザイン込みで100枚で5000円もしたのに!

送料が800円近くしたので、ああここで手数料を取ってるんだなと納得し、
届くのを待っていたら、
ある日シンガポールからのエアメールが・・・・。名刺、海外から届きました!
驚いて注文先の会社データを確認したら、
本社はヨーロッパ! 印刷工場がどうもシンガポールにあるらしい。
日本とは縁もゆかりもない会社なのに、
ネイティブが読んでもちっとも違和感のない立派なネットサイトが作られている。
ちょっとびっくりしました。
エアメール使用なら、送料800円でも仕方ないかという良心的な値段設定ですね。
なんだか、不思議な気分で届いた名刺をしげしげと見てしまいました。
上質紙ではないけれど、厚みがあって、手渡ししやすそうな紙質です。
お安いのに、なかなかの出来。
この値段で利益が取れているんですよねえ、すごいです。
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# by fenmania | 2011-03-03 11:08 | 仕事

桑田さんの新譜「MUSICMAN」到着。

楽天で予約していた新譜「MUSICMAN」が、
発売当日に届きました。
初回生産限定のスペシャルボックス仕様。
録音現場の映像やMVが収録されたDVDやら、
桑田さん本人の手になる分厚いセルフライナーノーツなど、
桑田ファンなら幸せになりそうな構成w
なかでもライナーノーツは、曲作りの内幕を惜しげなく詳細に披露しています。
音楽やる人だけでなく、一般のファンも興味を持つであろう部分を、
隠すことなくオープンにする桑田さんのスタンスはすばらしいといつも思います。

デビュー以来の桑田ファンの私、去年の紅白で久しぶりに元気な彼を見せてもらって
ほんとに涙ちょちょぎれるほどうれしかったです。
改めてエールを送る意味でも、今回予約して買わせていただきました。
今出ている雑誌「ブルータス」は桑田さんの特集号。
その中で彼は、「初期のサザンの“女呼んで抱いて~”みたいな歌や、
海辺で恋をする、みたいな歌は50過ぎた自分にはもう必然性がない」
みたいな内容のことを言ってました。
そういう意味で、このソロアルバムは、
50過ぎた桑田さんの『今』が存分に詰まっているといえます。
政治体制に物申す、みたいな歌詞を今の日本の歌手のだれが歌ってるだろう。
パンクじゃん。

届いてからざっと数回しか聞いてませんが、
ゆっくりと繰り返し楽しんで、大好きな桑田さんの復活を
共に祝いたいと思います。

余談ですが、『ブルータス』のなかで、 
桑田さんの尊敬する人5人をピックアップして、
その人とこんな曲を一緒に聴きたい・・というコーナーがありまして、
立川談志さん、アントニオ猪木さん、小林克也さん、杉本彩さんと並んで
阪神のアニキ金本の名が!!
やっぱり涙ちょちょぎれましたw
ちなみにアニキと一緒に聴きたい曲はシガー・ロスの『残響』だったけど、
まったく知りません・・・(汗)

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# by fenmania | 2011-02-25 11:00 | MUSIC

芥川賞2作品全文掲載

・・・の、文芸春秋誌を購入。

「きことわ」の朝吹真理子さんと「苦役列車」の西村賢太さんは
何から何まで両極端すぎて、その超絶な格差が話題を呼んでいます。
朝吹さんは文学者の家系に生まれた貴種、
西村さんは中卒の前科ありフリーター。
作品の内容もまたしかりでした。

どっちが好き?ときかれると、
読む前は究極の選択かと思っていたのですが、
読後は、結構すんなりと「きことわ」と答えられます。
思いのほか、好きな世界観でした。
音読すると、さらによろしいかと。

同時掲載の作者インタビューにおいて、
朝吹さんのインタビューに答えるその口調が、
まるで皇室の方のようでたまげました。
まだ26歳ですよ、この方。
貴種、恐るべし。

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# by fenmania | 2011-02-14 21:08 | BOOK

小栗くん主演の「時計じかけのオレンジ」、観てきました。

河原雅彦演出、小栗旬主演の「時計じかけのオレンジ」。
キューブリックが監督した映画では、ベートーベンの第9にのせて
キッチュでカラフルで悪夢のような映像がとめどなく流れ出ていて、
とても主題とか何とかを考えるいとまがないままに、
「新感覚古典」として私の中に仕舞われたままでした。

あの暴力的な映像に比べると、今回のお芝居はとてもこじゃれていて都会的だヮ。
主役が小栗君だからということもあるだろうけれど、
やはり河原さんの個性が出ていますね。
暴力シーンも暴力に見えないし(ダンスに見える)
グロいシーン、エロいシーンは美しい絵のようで、ほぼ無毒化されている。

それでも、やっぱり河原流の毒は感じます。
このお芝居、結末がキューブリックの映画バージョンとは異なっているのです。
なんでも、映画化された作品は、原作の最終章である第21章を省略して作られているそうです。
そして、その削除された第21章こそが、
原作者のアンソニー・バージェスの一番訴えたいことだったといいます。
そして、その「原作」のほうを元に演出した河原さんは、
何度もせりふで「こんなシーンは原作にはない!」「原作に忠実に!」などと
言わせています。
「消えた第21章」へのオマージュが河原さんの演出の肝なんでしょうかね。

今回のお芝居で日の目を見た「第21章」への賛否はいろいろあろうと思います。
私自身は、ちょっとぞっとしました。
小栗旬演じる主人公のアレックスは、18歳になったのを機に暴力から足を洗って結婚しようと考える。
そして過去の自らの悪行を、単なる「若気の至り」と位置づけ、
将来生まれてくる息子がもし自分のような暴力の道を進んでも
それを止めることはできない、と嘯くのです。

それまで舞台の上では、暴力的な若造とか専制的な政治家とかマッドサイエンティストとか
反体制作家とかが入り乱れて、近未来の横暴と混乱を演じていたというのに、
それが単なる超個人的な「若気の至り」に収束してしまう?
そしてそれが、輪廻していく?
いやあ、こう考えていくと、奥が深いです、このお芝居。

小栗君は頑張ってました。
舞台上での生着替えあり、歌唱あり、ダンスあり。
でも、蜷川のもと、カリギュラやら、佐々木小次郎やらを
魅惑的に演じていた小栗君にとっては、ちと残念な役だったかも?
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# by fenmania | 2011-02-11 20:18 | 映画・演劇

「海炭市叙景」観ました

先日ブログで紹介した小説、「海炭市叙景」(こちら→★)を映画化した作品を、
やっと観てきました。
場所は大阪・十三の「第七芸術劇場」というミニシアター。


小説は良かった。でも映画はどうだ・・?

・・・という気持ちで観に行ったのですが・・・・。
いやあ・・・、ものすごく良かったです。
胸がフルフルするような気持ちが、今も続いています。

函館生まれの作家による、函館を舞台にした小説。
20年以上前に書かれ、作家の自殺によって未完となり、
その後日の目を見ることもなかったこの小説を、
函館でミニシアターを営む男性が見出し、
地元を舞台に有志の手で映画化しようと決意します。
帯広出身の熊切監督とおおぜいの函館市民の協力で、
1年半をかけてできたのがこの映画です。

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(以下、ストーリーのネタばれを含みますので、ご注意ください)

造船会社をリストラされる兄妹がいる。失意の兄を不安げに見守る妹。
二人きりで貧しくささやかに生きる兄妹の暮らしを縦軸に、
それと交差する、幾組かの市井の人々の孤独な暮らしを通して、
地方経済の没落や、不安定な家族の絆を、ほぼノーナレーションで描いています。
会話の量も少なく、観客はスクリーンの中の人たちの表情や行動を通して
彼ら彼女らの孤独の深さを知るのみです。

原本の小説では、もちろん登場人物の気持ちや背景が言葉で書かれているのですが、
映画ではそういう説明的なところはほとんどない。
雪の降り積もる地方都市の、疲弊した人々の暮らしを、
粗く、しーんとしたタッチで残酷なまでに淡々と描いています。

「救いがない」。
まさしくそんな映画。
けれど、そんな痛みのなかで、一瞬ふうっと、
マッチの炎のようなほのかな温かみを感じるシーンがいくつかあって。
私は、義母に虐待される少年を気遣う、地味な事務員の女性の視線に
ものすごい救いを感じました。
また、孕んで戻ってきた猫の「グレ」にも・・・。

「孤独の中で生きる」ことの痛みと、
「人は人に何ができるのだろう」という命題を
この映画からもらった気がします。
あと、音楽がすばらしいです。

ミニシアターでしか上映されない映画ですが、
もしご覧になる機会があれば、ぜひお勧めします。
高槻セレクトシネマ、神戸の新開地アートビレッジセンターで3月から上映されます。
予告編はこちらで→★
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# by fenmania | 2011-02-03 17:27 | 映画・演劇