カテゴリ:BOOK( 18 )

「猫とあほんだら」@町田康 購入

「猫にかまけて」「猫のあしあと」に続く、町田さんの猫ばかシリーズ第3弾。
今回も、町田さんと猫のかなりビターな共生ライフがオカシクもカナシク描かれています。

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それにしても、シリーズ当初から感じていたんだけれど、
町田康って、捨て猫との遭遇率が異常に高い!! 
それもかなりシリアスな病気を持っていたり、出自がダイハードだったりする猫らとの。
今回も、家を買おうと伊豆半島に出向き、
案内してもらった物件の、まさにその玄関前で、
「手のひらに載るくらいの」瀕死のちび猫2匹と出会ってしまうのである。

「瀕死の猫救出」にかけてはプロ並みの奥さんは、冷静に町田さんに指示を出し、
町田さんはあたふたとそれに従って、子猫を救出する。

町田さんの「猫~~」シリーズは、巷によくある「可愛い猫ちゃん」本とはまったく異なり、
何が違うかというと、必死の看病に関わらず猫たちがばたばた死んでいったり、
また、その場は生き延びても、医療ミスなどで、はかなく亡くなってしまう猫たちを
克明に描いている。
とはいえ、悲しいばかりかというとそうでもなく、
町田さんの猫へのあまりの「愛着ぶり」「あたふたぶり」「悲しみぶり」に、
思わず脱力し、隣にいたらぽんと肩でもたたきたくなる、
ある意味爽快ともいえる読後感なのです。

猫好きで超男前(私にとっては)の町田さん、ほんと好きだ~~
そもそものパンクのライブには残念ながら行ったことがないのだけれど、
お気に入りのアーチストの1人です。


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うちのは「猫はあほんだら」やな。


『ほっといてんか。
大阪で生まれた女(ねこ)やさかい、
あほんだらは勲章や』
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by fenmania | 2011-05-20 10:27 | BOOK

アガサ・クリスティ85冊!

母が月末に東京に引っ越すことになり、
この連休はもっぱらその準備を手伝っています。
何かを残してくれたそうなのですが、
私自身は着物も電化製品も欲しくなくて、薄情な娘です。

唯一譲り受けたのが、
この、母のアガサ・クリスティコレクション!

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奥付を見ると40年近く前に発行されたものもあって、
画像のように、ほんっっとにぼろぼろなのですが、
ミステリー好きな私には魅力的。
インターネットなど影も形もない時代ですから、
新刊書本屋で手に入らない本は、近所の古本屋をこつこつと回って、
入手できる限りのクリスティ文庫本を集めたのだそうです。
(その割にはハヤカワ・ミステリばかりなのは、なぞ)

初期のものをぱらぱら読んでみたら、
今の翻訳本に比べて、かなり大雑把というか、
これじゃあ、単なる直訳だよ・・・と思ってしまうほどに
文章としての魅力がないものも多いのです。
翻訳者の方の作家性が、今は本当に問われていますものね。
当時の翻訳権が切れたのか、
現在のハヤカワミステリの翻訳者とは大幅に違っているのですが、
母コレクションの中には詩人の田村隆一さんの手になるものが多数あるので、
ちょっと興味があります。

エラリー・クイーンもほぼコンプリートしていたはずなのですが、
こちらは母の好みに合わなかったのか、
いつの間にかすべて処分されていました。残念・・・。
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by fenmania | 2011-05-04 19:59 | BOOK

芥川賞2作品全文掲載

・・・の、文芸春秋誌を購入。

「きことわ」の朝吹真理子さんと「苦役列車」の西村賢太さんは
何から何まで両極端すぎて、その超絶な格差が話題を呼んでいます。
朝吹さんは文学者の家系に生まれた貴種、
西村さんは中卒の前科ありフリーター。
作品の内容もまたしかりでした。

どっちが好き?ときかれると、
読む前は究極の選択かと思っていたのですが、
読後は、結構すんなりと「きことわ」と答えられます。
思いのほか、好きな世界観でした。
音読すると、さらによろしいかと。

同時掲載の作者インタビューにおいて、
朝吹さんのインタビューに答えるその口調が、
まるで皇室の方のようでたまげました。
まだ26歳ですよ、この方。
貴種、恐るべし。

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by fenmania | 2011-02-14 21:08 | BOOK

『龍馬デザイン。』読了。

昨年のNHK大河ドラマ『龍馬伝』に、「人物デザイン監修」として参画した、
柘植 伊佐夫氏の足掛け3年にわたる奮戦記です。
柘植さんはもともと福山雅治さんのヘアメイクをはじめとするトータルスタイリングを
長く担当してきた人で、そのつながりで福山さんに大河参画を依頼されました。

最初は福山龍馬だけの担当と考えていたのが、
福山さんを一番輝かすためには作品全体をトータルで輝かさないといけない、ということになり、
作品に登場する人物、有名無名を問わずすべての登場人物(400人以上!)の
衣装、メイク、鬘などをはじめとする総合的なビューティデザインを統括することになったそうです。
この「人物デザイン監修」という仕事は、
70回に渡るNHK大河史上、『龍馬伝』で初めて誕生した職域なのだそう。

私は映像美術にとても興味があり、
この本も大河ドラマの美術面が詳しく描かれているのかなあと手に取りました。
その予想は裏切られず、例えば衣装ひとつとっても、
「演じる歴史上の人物の、現存する資料+演じる役者さんのパブリックイメージ」を
繊細に考え合わせながら、衣装の色や柄、デザインを決めていきます。
もちろん現代ドラマではありませんから、着物の反物を集めるところから始めるわけです。
こういう仕事を400人分(群集もあるから実際にはそれ以上!)担当するのですから
想像を絶するほどの仕事量です。

さて、この柘植さん。
実はもう1つ役目がありました。それは
「NHK大河に変革を引き起こすこと。
既存の大河ドラマの方法論にのっとってきた扮装表現、
およびぬるま湯のような既得権益的構造をぶっ潰すこと」。

平たく言うと、「サラリーマン的スピリッツに浸りきっている
NHK大河のクリエイティブ部門を外から変革してくれ」、ということらしい。

1つ目の仕事だけでも大変なのに、
2つ目の『裏仕事』まで請け負っちゃった柘植さんは、監督から「パンク・ツゲ」と呼ばれるほどに、
NHKのベルトコンベアー式制作方法論に、バシバシ駄目出ししていきます・・・・。

いやあ、ホント面白かったです。
久しぶりに「仕事とは?」を考えさせてくれる本でした。
柘植さんは50歳くらい。映画『おくりびと』『十三人の刺客』とかにも参画してきた
一流のプロフェッショナルなんだけど、めちゃくちゃ熱いし青い。
『龍馬伝』に没頭するために他の仕事を全部断るんだけど、
『大河だけに没入していると自分の経済は先細る。それもそろそろ限界に来ている(中略)どうなってしまうのだろう』と本音も吐いちゃう。
過去に例のない仕事、過剰なハードワークの日々のなか、
宗教とか哲学とかスピリチュアルとか、そういうもののアシストが必要にもなってくる様子も伺えます。
テレビの裏側を見たい人はもちろんなんだけど、
仕事がマンネリ~とだらけちゃってる人にとって(→わたしだ)
カンフル剤になりそうな本でした。
こちらにインタビューあり。めっちゃお若い!かっこいい!

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by fenmania | 2011-01-21 18:27 | BOOK

木内昇さん、直木賞受賞!

大好きな木内昇さんが直木賞を受賞されました。
数年前から木内さんの作品の大ファンです。
とはいっても、まだ数冊しか上梓されていないのですが・・。

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受賞作の『漂砂のうたう』は、江戸から明治に移る激変の時代を背景に、
武士の身分を捨てて遊廓で働く若者の屈託を、遊女の生き様と絡ませて描いた作品。
画像にある『新撰組 幕末の青嵐』と『地虫鳴く』は
幕末期の新撰組の隊士の幾人かを取り上げた作品です。
このほかにも短編小説集『茗荷谷の猫』などもあります。

木内さん(女性です)の文章の特徴はその瑞々しさ。
「時代」という大きい濁流に飲み込まれ、押し流される人間たちの
はかなく悲しい人生を、
独特の繊細なタッチで描かれます。
木内さんの作品は、いろいろな意味で『青春小説』ではないかと思います。
青春が持つ、熱さ、一途さ、馬鹿さ、ナイーブさ、ずるさ・・・・
それをぜんぶひっくるめて、「いとおしさ」に変えてしまう。
そんな作家さんだと思っています。
これから上梓される作品が、ますます楽しみです。
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by fenmania | 2011-01-17 21:11 | BOOK

年越しに~『海炭市叙景』

2010年も残すところあと1日とちょっと。
朝から寒くて雨模様だったけれども今日はとりあえず大掃除DAY。
窓を開け放っていたので、脱走防止のため、
みやちゃんを扉のある玄関スペースに軟禁してたら
そっちに行きたいよおと鳴いて鳴いて・・・。
いまは鳴きつかれてか、ソファでぐっすです。

年越し用に、図書館で佐藤泰志(やすし)さんの本を
3冊借りました。b0183613_19452286.jpg

佐藤泰志さんの『海炭市叙景』という小説を原作にした映画が、
年明けすぐに公開されます。
公式HPはこちら

雑誌でこの映画レビューを読むまで、
寡聞にも佐藤泰志という作家を
まったく知りませんでした。
1949年函館市生まれ。同年代のダブル村上(春樹・龍)、中上健次らと競うように、芥川賞候補に5回、
三島由紀夫賞候補に1回なりながらも
ことごとく受賞を逃し、結局今から20年前、41歳のときに自ら死を選んだそうです。

『海炭市叙景』はいい小説です。
作家の生まれ故郷、函館市をモチーフにした「海炭市」に住む、
少々貧しくて恵まれない人々をやさしくオムニバス風に描いています。
読後の印象は、「山本周五郎の『季節のない町』みたい・・・」
『季節のない町』は、黒澤明の『どですかでん』の原作になった作品。
やはり貧しくて明日の見えない人々が、それでも精一杯生きていく日常を描いた佳作です。
小説『海炭市叙景』では、海炭市の厳しい冬と芽生えの春が描かれています。
その続きの夏と秋を描くことなく、作家は旅立ってしまいました。

映画は1月8日から大阪の七芸、京都のみなみ会館などで上映されます。
谷村美月ちゃんや加瀬亮くん、南果歩さん、小林薫さんらが出演します。
来年が楽しみです。

皆様、よいお年を。
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
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by fenmania | 2010-12-30 20:19 | BOOK

大規模本屋はちょっと苦手

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最近は1000坪を超えるような巨大本屋さんが増えてきました。
我が家から徒歩20分程度のJR芦屋駅近くのJ堂。
以前はコープの3階にこぢんまりとオープンしていたのですが、
2度の増床を経て、いまは330坪規模の大きな本屋さんに!
昨日久しぶりに覗いてみたのですが、
いやあ、なんか、ちょっと、使い勝手が悪くなったなあ・・・と。

本屋って大きければいいってもんじゃないのでは、と感じています。
例えば、むかしの小さい規模のJ堂だったら、
小1時間かけたら、文庫本の棚は一応全部チェックできました。
買いそびれている本、発売に気づかなかった本を
丁寧にカバーすることができて、結構お気に入りの本屋だったんです。

ところが、いまでは、すべてのタイトルを網羅することなんて、
とってもとっても無理!
それどころか、好きな作家さんの本をすぐに見つけることさえ難しい。
単行本は「ミステリー」とか「ライトノベル」とか内容で分かれているものの、
文庫本はいまだにほとんどの店が出版社別の棚構成。
出版社のネームで本を買う人って、ほとんどいないだろう・・・と思うのですが。
作家別に並べてくれないと、「あのヒトの本を以前のからざっと網羅してみたい」と思っても、
新潮、角川、集英社、などなど、無数にある出版社別の本棚の森を
あちこちさまようことになります。
しかも、文庫と単行本はフロアが違うって店もあるので、本当に厄介で、
さすがの「本の虫」の私でもうんざりしてしまう時も。

そして、そんなときは、
「まあいいか。帰ってアマゾンで検索してみよう」ってことになってしまうのです。
アマゾンなら、特定の作家さんの出版時期の時系列順に
全部がざっと出て来るし、
文庫本の裏表紙に書かれている程度の「あらすじ」だって読めます。
「こっちは新刊で買いたいけど、こちらは古本で安く買えればいいや」という場合だって、
すぐに希望通りの買い方ができます。
ほんとうに本に限ってはネットは便利極まりないと思います。

もちろん私は、本屋が好きですから、
どうせ本を買うなら、デジタルではなく本屋さんにお金を投資したいと思っています。
でも、どうしても「使い勝手」の視点から見ると、
巨大化が進む今の本屋は
間違った方向に向かってるのでは・・?という気がしてなりません。
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by fenmania | 2010-11-24 13:26 | BOOK

「村上春樹ロングインタビュー」掲載雑誌買いました

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これまでの作品を網羅しながら『1Q84』に触れつつ、
村上春樹という作家の姿勢や考え方をがっつり80ページにもわたって掲載されているのだから、
ハルキニストの私には絶対見逃せない、今号の『考える人』。
アマゾンで予約をしておき、楽しみに待っていました。
で、今日無事届きました。

文字の級数をあげて・・・行間を空けて・・・改行をやたら行って・・・・
というような、今ハヤリの携帯小説のような姑息なレイアウトはいっさいナシ。
えっと、1ページのレイアウトが23字×30行×3段だから・・・2070字!!??
それが80ページで、165600文字!!!???
・・・・・同じくインタビュー記事を書く者としてはちょっとくらっとしそうな文字数で、
がっつりと内容豊富なインタビューです。
インタビューは5月に箱根の富士屋ホテルで、3日間にわたって行われたそうです。
その時間軸に応じたのか、内容も1日目、2日目、3日目に分かれています。

最初の数ページだけ読んでも、なかなか興味深いです。
たとえばあの大ヒット作『ノルウェイの森』の話題。
春樹さんいわく、「書き終えたとき、リアリズムの話はもう十分だと思いました。
もうこういうのは二度と書きたくないと」
どういうところが「こういうの」なのかというインタビュアーに答えて、
「これは僕がほんとうに書きたいタイプの小説ではないと思った、ということです」と
クールに突き放したりして。
BOOK4があるかも、と噂される『1Q84』のことや、生まれ育った芦屋のこと、
例のエルサレム賞に関しても語られているようです。
詳細はこちら
いやあ、読み進むのが楽しみです!

この『考える人』という季刊雑誌、かなり高質で読みごたえのある雑誌です。
興味のある特集を何冊かバックナンバー買いしてみようかと思っています。


廃棄処分を待っているコピー機は、
引き取り先を精査中。
手放すまでにいましばらくかかりそうです。
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by fenmania | 2010-07-04 17:57 | BOOK

『1Q84  BOOK3』到着!

ネットショップの楽天ブックスで予約していた『1Q84  BOOK3』が
先ほど到着!
発売日の、それも午前中に届くなんて、やるやん、楽天。
BOOK1 BOOK2を読み返してから3にかかろうかなあ。
内容、ちょっと忘れちゃってるし。

それにしても、村上さん、印税ミリオネラーやなあ。
村上さんのデビュー作『風の歌を聴け』に出てくる、
芦屋は打出の『おサルの公園』の動物舎。
猿やら孔雀やらの動物が次第に亡くなって行くのを機に、
予算不足もあって廃止になってしまうんだけど、
印税の一部をちょちょっと寄付してくれないかなあ。
・・・無理かなあ、そういうキャラではないかもですね。
パンタレイ(万物流転)、の人のような気がしますからね、村上さん。

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到着した荷物に、ものすごくチェックかけてるミヤちゃん。

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現物です。
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by fenmania | 2010-04-16 10:53 | BOOK

久しぶりに・・・京極夏彦の分厚い本を。

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読み甲斐のある分厚い本が好き・・・・
文庫でも、よほど好きな作家でないと、
7ミリ以下の厚さの本はあんまり買いません(せこい??)。

京極夏彦さんは、京極堂シリーズより、
御行又市一味の巷説百物語シリーズの方が好み。
この厚さ4センチある、どっしりと手に重い『数えずの井戸』は、
『嗤う伊右衛門』『覘き小平次』に続く「江戸事件」シリーズ第3作目。
大好きな又市さんも登場するみたいなので楽しみです。
京極夏彦さんは独得のペダントリーが苦手って人が多いと思うけど、
『嗤う伊右衛門』と巷説百物語シリーズを並行して読むと、
その構成力というか、世界観に驚きます。
ああ、作家ってこういう人をいうんだな、と実感させられる、
好きな作家さんの一人です。

今、長くかかった大きな仕事が1つ終わり掛けていて、
気持ちの上にゆとりがある状態。
こういうときにしか読めない感じ。京極さんの小説は。
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by fenmania | 2010-03-10 20:56 | BOOK