カテゴリ:映画・演劇( 34 )

「英国王のスピーチ」観ました

遅ればせながら、観てきました。
神戸元町シネリーブル、土曜日のお昼前の部、混み具合は3~4割程度。

1930年代、第二次世界大戦参戦前夜の英国国王であるジョージ6世。
彼は小さいときから吃音で悩み、
厳格な父・国王から強いプレッシャーを受けながら育つ。
吃音のため、マイクに向かって発する国民へのスピーチに成功したことがない。
自分には国民を強いリーダーシップで引っ張っていく国王役なんかとても無理。
幸い次男であったため、国王役は回ってこないと信じていたのに、
王位を継ぐはずの兄のエドワードは恋のためにその地位を捨ててしまった!
人前に出るのが何より嫌いな男が思いもよらず国王を継ぐことになる。

彼の吃音の原因は、幼いころのトラウマに
硬く閉ざされた心だと気づいたセラピストのライオネルは
抑圧された心を解き放つべく、王に向かって型破りなやり方でさまざまに働きかける。
おりしも、ナチス・ドイツがヨーロッパの覇権を狙ってポーランドに侵攻を仕掛ける。
ポーランドの友好国であるイギリスも開戦を決意。
この緊迫した状況の中、国王ジョージ6世は、国民の心をひとつにすべく、
マイクの前でスピーチを行なわねばならない・・・・。

・・っていうのがざっとしたストーリーです。
以下、映画を見ながら順次思ったこと。
●実際に吃音の人は、吃音の原因は心の問題、といわれてどう思うのかなあ。
●ロイヤルファミリーやるもの大変だ。
●イギリスの冬って霧が立ち込めてじめじめして寒そうだ~
●この時代のイギリス人って、家でくつろぐときもネクタイしてるのね。
●うわあ、兄貴の恋人のシンプソン夫人(アメリカ人)、ベッドテクニックに長けた
食わせ物っていう扱いだ。アカデミー賞、よく与えたものだ。
・・・などなどだったのですが、

映画のクライマックス。
ドイツとの開戦を告げ、国民に向かって、
朴訥ながら真摯に語りかける9分間にわたる王のスピーチ。

英国にとって、第一次世界大戦に次いで2度目の苦難の時代を迎える。
我々とは異なる文化が我々に襲い掛かろうとしている。
我々はそれに飲み込まれるわけにはいかない。
「つらい日々になるけれど、力を合わせてこの苦境をみんなで乗り越えよう」。

・・・というような内容で、普段だったら「そうですか」てなもんですが、
東北大地震直後のこの時期にあまりにぴったりすぎて、
ちょっとうるっと来てしまった。

もちろん、日本の今の状況に、戦争前の国威高揚のために行なったスピーチが
ふさわしいとは言えないのだけれど、
「心を支え、ひとつに結ぶ言葉」という一点において、
どこか合い通じるものがあるような気がしました。

また、スピーチの前半は、
「いかにうまく、つまずかず、スピーチをこなせるか」に汲々としていた王が、
後半、次第に、国王らしい威厳と愛情を持って
国民に深く語りかけていくようになる、
その推移がすごく感動的でした。

王の幼い娘二人がキュート。
王妃のエリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)もよかった。
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by fenmania | 2011-03-27 19:30 | 映画・演劇

小栗くん主演の「時計じかけのオレンジ」、観てきました。

河原雅彦演出、小栗旬主演の「時計じかけのオレンジ」。
キューブリックが監督した映画では、ベートーベンの第9にのせて
キッチュでカラフルで悪夢のような映像がとめどなく流れ出ていて、
とても主題とか何とかを考えるいとまがないままに、
「新感覚古典」として私の中に仕舞われたままでした。

あの暴力的な映像に比べると、今回のお芝居はとてもこじゃれていて都会的だヮ。
主役が小栗君だからということもあるだろうけれど、
やはり河原さんの個性が出ていますね。
暴力シーンも暴力に見えないし(ダンスに見える)
グロいシーン、エロいシーンは美しい絵のようで、ほぼ無毒化されている。

それでも、やっぱり河原流の毒は感じます。
このお芝居、結末がキューブリックの映画バージョンとは異なっているのです。
なんでも、映画化された作品は、原作の最終章である第21章を省略して作られているそうです。
そして、その削除された第21章こそが、
原作者のアンソニー・バージェスの一番訴えたいことだったといいます。
そして、その「原作」のほうを元に演出した河原さんは、
何度もせりふで「こんなシーンは原作にはない!」「原作に忠実に!」などと
言わせています。
「消えた第21章」へのオマージュが河原さんの演出の肝なんでしょうかね。

今回のお芝居で日の目を見た「第21章」への賛否はいろいろあろうと思います。
私自身は、ちょっとぞっとしました。
小栗旬演じる主人公のアレックスは、18歳になったのを機に暴力から足を洗って結婚しようと考える。
そして過去の自らの悪行を、単なる「若気の至り」と位置づけ、
将来生まれてくる息子がもし自分のような暴力の道を進んでも
それを止めることはできない、と嘯くのです。

それまで舞台の上では、暴力的な若造とか専制的な政治家とかマッドサイエンティストとか
反体制作家とかが入り乱れて、近未来の横暴と混乱を演じていたというのに、
それが単なる超個人的な「若気の至り」に収束してしまう?
そしてそれが、輪廻していく?
いやあ、こう考えていくと、奥が深いです、このお芝居。

小栗君は頑張ってました。
舞台上での生着替えあり、歌唱あり、ダンスあり。
でも、蜷川のもと、カリギュラやら、佐々木小次郎やらを
魅惑的に演じていた小栗君にとっては、ちと残念な役だったかも?
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by fenmania | 2011-02-11 20:18 | 映画・演劇

「海炭市叙景」観ました

先日ブログで紹介した小説、「海炭市叙景」(こちら→★)を映画化した作品を、
やっと観てきました。
場所は大阪・十三の「第七芸術劇場」というミニシアター。


小説は良かった。でも映画はどうだ・・?

・・・という気持ちで観に行ったのですが・・・・。
いやあ・・・、ものすごく良かったです。
胸がフルフルするような気持ちが、今も続いています。

函館生まれの作家による、函館を舞台にした小説。
20年以上前に書かれ、作家の自殺によって未完となり、
その後日の目を見ることもなかったこの小説を、
函館でミニシアターを営む男性が見出し、
地元を舞台に有志の手で映画化しようと決意します。
帯広出身の熊切監督とおおぜいの函館市民の協力で、
1年半をかけてできたのがこの映画です。

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(以下、ストーリーのネタばれを含みますので、ご注意ください)

造船会社をリストラされる兄妹がいる。失意の兄を不安げに見守る妹。
二人きりで貧しくささやかに生きる兄妹の暮らしを縦軸に、
それと交差する、幾組かの市井の人々の孤独な暮らしを通して、
地方経済の没落や、不安定な家族の絆を、ほぼノーナレーションで描いています。
会話の量も少なく、観客はスクリーンの中の人たちの表情や行動を通して
彼ら彼女らの孤独の深さを知るのみです。

原本の小説では、もちろん登場人物の気持ちや背景が言葉で書かれているのですが、
映画ではそういう説明的なところはほとんどない。
雪の降り積もる地方都市の、疲弊した人々の暮らしを、
粗く、しーんとしたタッチで残酷なまでに淡々と描いています。

「救いがない」。
まさしくそんな映画。
けれど、そんな痛みのなかで、一瞬ふうっと、
マッチの炎のようなほのかな温かみを感じるシーンがいくつかあって。
私は、義母に虐待される少年を気遣う、地味な事務員の女性の視線に
ものすごい救いを感じました。
また、孕んで戻ってきた猫の「グレ」にも・・・。

「孤独の中で生きる」ことの痛みと、
「人は人に何ができるのだろう」という命題を
この映画からもらった気がします。
あと、音楽がすばらしいです。

ミニシアターでしか上映されない映画ですが、
もしご覧になる機会があれば、ぜひお勧めします。
高槻セレクトシネマ、神戸の新開地アートビレッジセンターで3月から上映されます。
予告編はこちらで→★
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by fenmania | 2011-02-03 17:27 | 映画・演劇

「時計じかけのオレンジ」@小栗旬★チケットゲット

小栗旬で「時計じかけのオレンジ」だって?
え~~・・・?? 
小栗はアレックス役には、ちょっとやわすぎないか?

と思いつつ、行くとも行かないとも小栗ファンとしては決めかねて、
念のため梅芸の会員先行に申し込んでみたところ、
当たってしまいました・・・
いやいや、いいんですけどね。
来年の2月公演です。

「時計じかけのオレンジ」。
映画ははるか昔の大学時代、神戸のビッグ映劇だったか元映だったかで
見た記憶があります。
wikiはこの作品を
「暴力やセックスなど、欲望の限りを尽くす荒廃した自由放任と、
管理された全体主義社会とのジレンマを描いた、サタイア(風刺)的作品。」
と評していますように、
かなり残虐で救いがない荒廃したストーリー。
それに対して、
スクリーン美術はすごくモダンでカラフルで能天気で、
それがものすごく気持ち悪かったのを覚えています。
のちに、ストーンズが初来日したときのステージ美術を東京ドームで見たとき、
あ、時計じかけっぽい、と思ったり。

デーモニッシュな主人公アレックスは、日本の舞台でやるなら
三上博史さま、もしくは山田孝之君くらいしか
適当な役者さんが思い浮かばないのだけど、
なぜに小栗??

いやいやいや、ある意味すごく楽しみでもあります。
今年の後半は新感線も大人計画もパスしたので、
来年2月なら許して~(って誰に言ってるんだか)
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by fenmania | 2010-10-21 16:02 | 映画・演劇

「十三人の刺客」観ました

「スキヤキ・ウエスタンジャンゴ」「クローズZERO」「クローズZEROⅡ」と、
今もって何度もDVDを見直してしまうワタシ的名作を生み出してくださった、
鬼才・三池崇史監督による時代劇。っていうか、ちゃんばら映画。

三宮の劇場、70才以上かと思われるおじいちゃんばっかしの客層に、
まずはびっくり。
初代「十三人の刺客」が上映されたのが今から約50年前の昭和38年。
そのころ青春時代をすごして、もしかしたらこの映画を観た方々だなあ。


極悪非道な明石藩藩主・松平斉韶を暗殺すべく、集められた13人の刺客たち。
参勤交代の途上にある落合宿を、仕掛け満載の要塞に作り変え、
たった13人で200名を超える敵を下し、斉韶の命をとるのがミッション。
最後の1時間ほどは、落合宿での迫力満点の殺戮シーンが延々と続きます。
それでも、2時間20分があっという間でした。
ラスト、ある生き残った男(誰かは、ねたばれになるので秘します)が
薄く笑いを浮かべるシーンに、え?これでもうおしまい? と思ったほど。

役所広司、松方弘樹、伊原剛志、山田孝之、伊勢谷友介、古田新太などなど、
刺客役の俳優さんたちの殺陣(というか、ちゃんばら)がすごい!
ほんまに役者さんってスポーツ選手に負けず劣らずのフィジカルエリートやわ。

刺客のリーダーである島田(役所広司)が「天下万民のために事を成す」と言い切ると、
松平斉韶の側用人・鬼頭(市村正親)は「武士の本分は、(ことの善し悪しを超えて)主を守ること」と対立する。
二人は実は友人同士でもある。
この対立軸は、なんか今の日本を彷彿とさせますね。

刺客ではない役で、松本幸四郎が出演していますが、
この抑えた演技は鳥肌ものでした。

ある人はちゃんばらを楽しみ、
ある人は稲垣吾郎演じる鬼畜・斉韶の心中を忖度し、
ある人は、過去の日本にいた「侍という階級」について考えるよすがにし、
またある人は、今の自分に命を掛ける大義はあるかとふと考える。
観るひとによって、心に引っかかってくるポイントは千差万別だろうなあと思わせる、
とても興味深い映画でした。
ちなみに私の引っかかりポイントは、
剣豪浪人である平山(伊原剛志)の言葉、
「剣がだめになったら石を、石がだめならこぶしを使え。
決して敵を五体満足で見逃すな」(正確ではないが、そういう感じの)です。

目的を達するためには、かっこ悪くても武士道に外れても
意地汚く生きて敵を倒せ、って事でしょうね。
凛として静かな平山が言う言葉がなんか沁みました。
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by fenmania | 2010-10-01 19:54 | 映画・演劇

『2番目、或いは3番目』@シアタードラマシティ 観ました。

ケラさん率いる「ナイロン100℃」という劇団の、
35本目になる本作で、私はうれしはづかしナイロンデビューを果たしました。
ケラさんのお芝居は、以前『労働者M』という、小泉今日子と堤真一主演のものを
WOWOWで観ただけ。
なぜいまになってナイロンなのか? 
それはもう、本作では小出恵介君が客演してるからさっ。
・・あ、ケラファンの方、ナイロンファンの方、すみません・・・。
かなりミーハーです040.gif

いままでなぜケラさんの芝居に関心を持たなかったかというと、
私にとっては、ケラさんというと、
80年代のパンクバンド、「有頂天」のイメージがあまりにも大きくて、
しかも、有頂天の音楽があまり好きではなかったもので、
その余波がいまだに・・・
すでに、有頂天時代から30年ちかく経ってるのにね。
げに恐ろしきはイメージなり。

そんな食わず嫌いに小出恵介君が風穴を開けてくれて(もういいって)
初ナイロン、と相成りました。

ナイロンのファーストインプレッションは・・・
発声がきちんとしてて、早口でなくて、せりふがスムーズに聞き取れる!
畳み掛けるようなせりふ回しが特徴の野田秀樹さんの芝居は、
せりふが聞き取れないことが多くて、結構ストレスでした。
なもんで、この部分ですでに好感度アップ!(かんたん)

核戦争なのか? 大自然災害なのか?
荒廃したある街に、同じように荒廃したよその街から
「人助け」にきた人々。
それを受け入れる街の人々は、こんな状態になって「不幸せ」なはずなのに、
なぜかすごく明るくて幸せそう。
なぜ?こんなの変! と、人助けに来た人たちは戸惑い、反感を持つ。
・・・というのがこのお芝居のざっとした導入部分です。

どうも、こういうシリアスなテーマを笑いにくるんで提示するのが
ケラさんの手法みたいで、それは本作でもすごく感じ取れました。
ただ、予想していたのは、「身もふたもなく残酷でシリアス」というストーリー。
でも観終わってみたらそうでもなく、
どっか啓示的でわずかなりとも希望を感じることのできる結末に、
これがケラさんの感受性、人間性なのかなあと感じました。
これから先、どうなるんだろう!? と、イマジネーションを掻き立てられる、
面白いお芝居でした。

ナイロンの公式サイトにケラさんが本作を紹介している一文のなか、
「私ゃ社会派とかそういうあれではないし。」にちょっと笑いました。

また、今回は前から5列目という良席が取れて、
ずっぽりと「廃墟の街とそこで生きる人々」の世界観にはまることができました。
座席の位置ってやっぱり重要かもですね。

余談ですが、ナイロンの俳優、みのすけさんって、
インディーズ時代の有頂天や筋肉少女帯のドラマー。
今もケラさんと行動をともにされてるんだなあ。
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by fenmania | 2010-07-30 13:33 | 映画・演劇

『シーサイドモーテル』 観に行きました。

以下、『シーサイドモーテル』について
低評価なコメントですので、
これから観られる人、この映画のファンの人は
ご覧にならない方がよろしいかもしれません。ということを申し上げて。

古田新太、山田孝之、玉山鉄二、麻生久美子、小島聖など、
好みの俳優さんそろい踏みということで
ものすご~く楽しみにしてたのに! 
この出来は、むちゃショックやわ!

先日のブログで、
『翌日まで頭から離れない映画と、
見終わった瞬間に頭からフェイドアウトしていく映画があります。』
と書きましたが、この映画はそのどちらでもなく。

ではどんな映画かというと、
『いったいこの監督はこの豪華なキャストを使って
何を訴えたかったのだ?』と数日間頭がぐるぐるするような映画でした。

いえ、べつに、「訴えたいこと」なんかなくてもいいんです。
ワハハと笑えて楽しい気分で映画館を出れれば。
ところがこの映画、コメディの仮面をかぶっているけれども
ちっとも笑えなくて、やりきれない感じがいっぱい。
どっかにペーソスが隠れているのかというと、そんなセンスも感じられず、
申し訳ないが『監督の壮大な無駄遣い』にしか見えない。

これはいわゆる「グランドホテル形式」という映画で、
  (グランドホテル形式とは、同一時間及び同一の場所に集まった
   複数の人物の行動などを、同時進行的に一度に描く作品の手法の事。
   映画『グランド・ホテル』によって効果的に使用された為、この名が付いている。
   日本映画で有名なのは、『THE 有頂天ホテル(by 三谷幸喜)』)
シーサイドモーテルという名のしけたモーテルに泊まる4組の一癖ありそうな集団が
「だましだまされ」ながら翌朝を待つ、というのが、思い切りざくっとしたストーリーです。

ちょっとネタバレになるけれど、
4組の宿泊客のうち、結局ダレも幸せにならない。
未来に希望も見いだせない。
かといって、青山真治や西川美和監督のように、力づくで、
「生きること」ってなに?と考えさせる脚本にはほど遠い。
ストーリーはなんだか安易で、
こうなるやろなーと推測したまんまにほぼ進んでいって、
『キサラギ』ばりのひねりも皆無。

監督さんはCMやミュージックビデオ出身の方で、
森山未来君の『スクールデイズ』に続く2本目だとか。
この監督さんの映画は多分、もうしばらくは観ないかも・・・

山田孝之も玉鉄もグロくて良かったんだけど、
作品としては、ムッチャ残念な感じでしたわ。
あと、温水洋一さん演じる拷問師の行う拷問が、
ひどく気持ち悪くて、そればっかり頭に残って、最悪~~~・・・・・008.gif
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山田孝之の裸はエロい!!
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by fenmania | 2010-06-13 15:11 | 映画・演劇

「パーマネント野ばら」観ました

ご存知、西原理恵子の漫画が原作の本作。
離婚後、子どもを連れて、高知の小さな漁村に住む母親のもとに
帰ってくる、なおこ役が菅野美穂ちゃん。
地元で唯一の美容院、「パーマネント野ばら」を経営するその母親が夏木マリ。
なおこの幼なじみで、共に極度に男運の悪い小池栄子と池脇千鶴。
「野ばら」につどってはがちがちに強いパンチパーマを好んでかけている
近所の熟年女子たちのあけすけな会話。

サイバラさんの漫画は、私はほんのちょっと苦手で、
これまでさほど熱心に読んだことも、映画化された作品を見たこともなかった。
今作を観ようと思ったのも、ひとえに小池栄子と池脇千鶴が出ているから。
大好きなんです、このお二人が。

話は変わりますが、翌日まで頭から離れない映画と、
見終わった瞬間に頭からフェイドアウトしていく映画があります。
今作は、まじで、夢の中に「野ばら」ワールドが出てきてしまったほどに
心を強くひきつけられた映画でした。

なんなんだろう、あの、「わたしは傍観者」みたいな取り留めのない視線をもつ
なおこ(菅野ちゃん)の立ち位置。
「傍観者」「観察者」「アナタとは違う私」であるはずの自分。
男運の悪い周りの女たちに引き比べ、すてきな人とすてきな恋をしているはずの自分。
子どももいて幸せなはずの自分。
でも、それなのに、なぜかものすごくさみしい自分。
それがどうしてなのか分からない。
そういう心のざわざわ感が、なんだかものすごく身に沁みるんですよね。

実は、傍観していた相手に、見守られ、愛されていたなおこ。
無遠慮に立ち入ってくるでもなく、自分たちは日々の暮らしに悪戦苦闘しながらも
なおこのことをずっと気に掛け、見ていてくれた女たち。
女たちを演じる、夏木、小池、池脇らがまるで女神様のように見えます。
透明感ある菅野ちゃんの演技も秀逸。

でもやっぱりこれは女たちの映画かな。
男性は見てどう思うんだろうか。
男性の意見を聞いてみたいです。

あと、誰かと観に行くなら、人を選んだほうがベターかと。
「ちん×」連発です(爆)
あと、小池栄子のダメ亭主役で加藤虎ノ介が出てたのがうれしい~♪

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姐御な「野ばら」の夏木マリ。
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by fenmania | 2010-05-29 18:19 | 映画・演劇

劇団☆新感線『薔薇とサムライ』観てきました

06年の『メタルマクベス』以来、『朧の森に棲む鬼』『五右衛門ロック』『蜉蝣峠』『蛮幽鬼』と
観続けてきた新感線。
日本一チケットを取りにくい劇団と言われているとかいないとか・・・だけど、
その気になったら取れないなんてことはありません!(きっぱり)
ぴあ、ローソン、JCB、その他いろいろ総動員して、毎回無事取れています。

さて新作『薔薇とサムライ』は、ほんと素晴らしかった!
私の中で女優ランキング目下ナンバーワンの天海祐希さんと
大好きな古田新太さんががっつりとタッグを組み。

舞台は17世紀の地中海、天海祐希さんは海賊アンヌ。
実はコルドニア王国のただ一人の世継ぎの王女だったりもする。
天海さん、さすがに元宝塚大スターの貫禄、歌もダンスも殺陣もうっとりするほど素敵!
赤い軍服に金髪の巻き毛を翻して剣を取り戦う姿はもうそのまんま、オスカル様。

古田さんは、アンヌの用心棒、なぜか日本人の石川五右衛門。
相変わらずの小ボケをかましながらの手だれた演技。
なんなんでしょ、デカいおっさん顔がこんなにかっこよく見えるなんて。

ピンクのドレスが似合う貴族の令嬢役の神田沙也加ちゃん、
初めて歌声を聴きました。
お母さんより声が低くてブリブリ度も低いのかな。

今回は珍しくも最後までヒール役だった高田聖子ちゃん。
権力をむさぼる悪女役、さいごの『やられ方』はちょっとトホホで、
なんぼなんでも女子にあの格好はないのでは? まあこれも新感線のお約束か。

今回は「姿はおっさん、心は乙女」の悪役海賊バルバを演じた橋本じゅんさんがちょっとツボでした!

とにかく飽きさせない、盛りだくさんのエンタテイメントてんこ盛りの舞台。
役者さんが歌って踊る場面が多いんだけど、
ステージにやぐらを組み、その上に座付き作曲家&プレーヤーの
岡崎司さん率いるロックバンドがスタンバイ、
生音でヘビメタを演奏するのが、ちょかっこいい!

『蜉蝣峠』『蛮幽鬼』と、かなりヘビーでダークな内容の芝居が続いていたのですが、
今回はわくわくハッピー!&最後はカタルシス!って感じで楽しかった~ 
取れた座席が2階席の最後列で落ち込んでいたけど、これが意外と観やすかった。
オペラグラスで表情はバッチリだし、
見下ろす感じで、動きがよく分かる。 悪くないかも!


さてさて次のお芝居は、7月にあるケラさんの『ナイロン100℃』。
こっちは前から5列目ゲット!!

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幕間に、
座席から撮影。
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by fenmania | 2010-05-02 20:22 | 映画・演劇

『月に囚われた男』観ました。

かのデビッド・ボウイの息子にして、
「2010年ハリウッド映画業界が最も注目する監督のひとりとして一躍注目を浴びている」
と言われるダンカン・ジョーンズ監督が、
500万ドル以下という低予算で作った注目作。

・・・・・・というのは、後付けのリサーチで。
近未来SFというジャンルはまったく私のテリトリー外だったので、
まったく視野になかったんですが、
元町を歩いていて、久しぶりに映画でも見ようかとふと思い、
会員になっているシネ・リーブル神戸で開演時間を確かめると、
ジャスト見れる映画がこれだった・・・というだけで。

地球の主要なエネルギー源である鉱石を採掘するために、
月の基地に滞在していた男が体験する不思議でこわい物語。
さすがに500万ドルという予算なりで、宇宙船の内部とか、
月面とかの作りが、めっちゃちゃっちい~
はっきり言って、1968年に公開された『2001年宇宙の旅』のほうが
スペーシーだった!

で、感想はといいますと



・・・・・・・・・


ごめん、どこがいいのか分からなかった、私。
特に哲学的でもなく、ヒューマンな感動もなく。
淡々と2時間観て、映画館の外に出たとたん、
今まで映画を見ていたことを忘れましたw

ああっっっ、久しぶりに失敗だった~~~

映画館のロビーで、次回作の『シーサイド・モーテル』の立て看(?)の、
山田孝之君に癒されたことが収穫・・・・orz
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by fenmania | 2010-04-30 23:36 | 映画・演劇