大人計画「ふくすけ」観てきました。

先週、大人計画(松尾スズキさん主宰の劇団。クドカンやアベサダちゃんが在籍)企画の
「ふくすけ」という舞台を見てきました。
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出演者は松尾さんにアベサダちゃん、古田新太、
多部未華子、平岩紙、そして大竹しのぶetc。

大人計画の芝居は、とてつもなくブラックで、
観るのがしんどい作品もあります。
この「ふくすけ」も、母体の薬害で福禄寿のような畸形頭に生まれついた「ふくすけ」(アベサダ)を中心に、
畸形を好むマッドドクター(松尾)、ふくすけを見世物小屋に売るジャンキー、その盲目の妻。
新宿を仕切る魔女のような三姉妹は不発弾をコレクションし、
彼女らの黒幕(大竹)は躁鬱を繰り返し、10年以上不倫を重ねた末に夫から出奔した過去をもつ。
その純愛の夫(古田)は妻を捜しに新宿にやってくるが、
彼は吃音で、小さい頃からいじめを受けていた。

・・・・と、まあ、壮絶なタブーだらけの設定。

畸形、マッド、盲目、吃音、と置き換えてはいますが、
舞台ではそのものずばりの放送禁止用語ががんがん飛び交い、
弱者と強者はシーソーのように入れ替わり、どちらにしても浮かぶ瀬はない。
そして最後は、「純愛の夫」として一番まともに見えた人間が、一番ひどいことをやってしまう。
(もしかしたら夫の「妄想」かもしれないけれど)
そういう、暗いお話。

テレビ、新聞、雑誌などのメジャー媒体では、
要注意言語をピックアップし、マニュアルを作り、
重箱の隅をつつきまくってそれらの言葉を撲滅してきました。
その片隅にいる私も、別に違和感なく「言い換え」を全うしてきました。

大人計画のお芝居は、そのクリーンな世界とは対極に見えるけれど、
結局は、「言い換え」をする時点で、その「きたない言葉」を
私たちは思い浮かべているのにね。
それを言うか言わないか? 

いじめは「当人がいじめられたと思ったらいじめ」
セクハラは「当人がセクハラだと思ったらセクハラ」。
それは重々大人の論理として分かっている。
だから、その言葉を聞いたら「気分を害する」人が1人でもいたら、それは撲滅!ってことになる。

かたや、芝居。河原者の時代から芝居は解放区であったのだけれど、
そうは言っても一興行で何万人も動員するメジャーな劇団が
メジャーな劇場で堂々と放送禁止用語を言いまくる。

いい、悪い、とかの話ではなく、この落差はいったいなんだ、という気持ちがします。
芝居の特権。唐十郎の信奉する「特権的肉体」ゆえに許される所業なのか??

とまあ、「ふくすけ」を見終わった午後6時。
まだ明るい梅田を通りながら、芝居とは?などと考えておりました。
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さっ、次の芝居は、橋本治脚本、蜷川演出、鈴木慶一音楽の「ボクの四谷怪談」です!
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by fenmania | 2012-09-20 20:28 | 映画・演劇