舞台「海辺のカフカ」観て来ました。

村上作品、ことに長編は多分全部読んでると思う、プチ春樹ニストです。
もちろん村上作品の中でも好き嫌いはあって、一番有名な「ノルウエーの森」は
正直、かなり嫌いな作品なんですが、
この「海辺のカフカ」は、お気に入りの部類に入ります。
その作品を、日本人が初めて舞台化するとあっては、見に行かざるを得ない。
それがちょっと苦手な蜷川幸雄であってもだーー070.gif


主人公のカフカに、映画「誰も知らない」でカンヌ最優秀男優賞を14歳で獲得した柳楽優弥。
カフカが逃亡した先、高松市で出会う2人の人物に
「セカンドバージン」でブレークした長谷川博己と、お久しぶりねの田中裕子。
登場時間は短いものの、カフカを助ける重要な役割の女性に佐藤江梨子。


第二次世界大戦下の疎開地、東京都中野区野方、そして四国の高松市が
村上氏得意のパラレルワールドとなって収束したり拡散したり、
重なりあって影響しあったりしていきます。
この「パラレル」を視覚化するのが、舞台上にいくつも配置されたアクリルケース。
人が入って演技できるくらいの大きさのアクリルケースですが、
片方の箱でカフカがひとりモノローグすれば、
もう片方ではそれに呼応する(と思われる)血と暴力で満ちた世界が進行していく。
一種難解な「カフカ」の世界観を、とっつきやすく演出していたと思います。

ストーリーは難解だから(2行や3行では書ききれない長編だし)パス!しますが、
この本の中で私が一番好きな登場人物である、猫と話せる老人「ナカタさん」が
すごく愛情深く描かれていて、うれしかったです。
この「猫とナカタさん」は、カフカにとって、
右と左、原因と結果、意志と行動、みたいに連動しあっている「ナニカ」なのでしょう。
それにしても、「猫」が舞台上でほんとうに「猫(の着ぐるみ)」だったのにはちょっと驚いたぞ!
蜷川さんなら、舞台上に何も出さなくても「猫」を具現化する手法を持ってそうなのに、
これですよ、これ!!
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村上作品のような一種「ファンタジー」ともいえる作品世界を視覚化するのは
ほんとうに大変だと思う。
それとともに、目で追う「文字言葉」でなく、「せりふ」として聴神経を刺激することで、
初めてがっつりと抱え込め、得心できる世界観もある。
小説を舞台や映画化することの役割って、そういうことなんじゃないかと思うのです。


さてさて次の舞台は、
こちら!
大人計画の「ふくすけ」! 9月です!
古田さん、あべさだちゃん、待ってますよ~~~053.gif
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by fenmania | 2012-07-01 19:06 | 映画・演劇