「マイ・バック・ページ」観ました

水曜日に観にいって来ました。
原作者である評論家の川本三郎さんの実体験をベースにした映画です。
ある過激派運動家・梅山(松ケン)と、彼が引き起こした自衛官殺人事件。
それに自ら前のめりに関わってしまう新米ジャーナリスト・沢田(妻夫木)を描いた映画です。

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観客はほとんどがオーバー45歳くらい?
幼い記憶とはいえ、60年代後半の全共闘運動や、
それに続く悲惨な浅間山荘事件などを覚えている人、
身の中に闘争の記憶(それが赤の他人の、あるいはテレビの中の映像としてでも)が
埋もれている人が多いのではと推察。
(どうでもいいが、「浅間山荘事件」と打つと、「浅間さん掃除権」と表示する、
windows7くん。キミも若いなあ・・・)

いろいろな解説を読むと、
「あの熱い政治の時代、改革の時代」に乗り遅れまいとあがく
二人の若者・・・みたいな書かれ方をしているけど、
「自称」活動家の梅山にはその無軌道な純真さを感じることができず、
自己顕示欲のみで生きる口八丁の梅山に手も無くだまされるおばかな勇み足のジャーナリスト、
という構図に見えてしまった。
それでも、多分、それが珍しくもない「時代」だったのだろう。
多分、私がその時代に若者として生きていたら、
仲間や雰囲気に引きずられるように行動していただろう。
もしかしたら生きていられたかどうかも分からない。
傍観者であることを許さない、そんな時代の風。

余談ですが、その時代の真っ只中にいながら、徹底してその風を拒絶した代表者が
村上春樹とユニクロの柳井さん。どちらも成功者だ。
映画の中では長塚圭史さんが演じる東大全共闘議長(長塚さんが秀逸で、出番はごく少ないけど、私は涙した・・・)
であった山本義隆氏、
かれはものすごい理系の秀才であったらしい。
この時代でなければノーベル賞も夢ではない、というくらいに。
それもこれも、時代の巡りあわせだ。
戦争にあわなかったこと。震災にあわなかったこと。
殺人にあわなかったこと。事故にあわなかったこと。
すべてが時代のめぐり合わせであったとしたら、
偶然の地平で人が生きる価値は、何なのでしょうか?

・・・とまあこんなことをつらつら考えさせられた映画でした。
さらに、平成生まれの若い人は、この映画はよく分からないのではないかと
独断で思っています。
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by fenmania | 2011-06-04 11:05 | 映画・演劇